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CML治療の変遷と展望
近年、CMLについての研究が進み、病気の仕組みがわかってきた結果、腫瘍細胞の特徴を利用した新しい治療薬が次々に開発されました。現在の標準的な治療法は分子標的治療薬を服用することですが、このコーナーでは、これまでの治療の変遷を振り返り今後の展望についてまとめています。
今後の展望

CMLは分子標的治療薬のひとつである「TKI」の登場によって、がんのなかでも治療成績がもっとも良いもののひとつになりました。そして、生涯にわたり服用し続けなければいけない「TKI」も、今後はある条件を満たせば服用を中止できる可能性も出てきました。
しかし現時点では、どのような条件を満たせば中止が可能になるのか明確な結論が出ていませんので、日本血液学会が作成する造血器腫瘍診療ガイドラインでは、「DMRが得られて安全にTKI治療が終了できる基準が確立されるまでは、臨床試験以外でTKIを中止すべきではない。」1)と記載されています。ただし、妊娠を希望する女性や重篤な副作用がみられるなどTKIの継続が困難な特別な理由がある患者さんでは、服薬中止後に白血病細胞が増えて病気が進行してしまうリスクを理解し、主治医が決めた頻度でモニタリング検査を受けることを必ず守るなどの条件のもと中止を考慮する場合もあります。
さらに将来的な課題として、分子遺伝学的寛解に至らない場合や、深い分子遺伝学的寛解を達成し維持できた後の服用中止後TFRに至らなかった場合のさらなる治療法の開発も残されています。すべてのCML患者さんが治療により「治癒」する時代が来ることが待たれるところです。

1)日本血液学会編, 造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版, 金原出版, 2018, p.113

監修:藤澤 信先生(横浜市立大学附属市民総合医療センター 血液内科 部長)

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