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医療費が一定額を超えると、高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)が受けられると聞きました。高額療養費制度とはどのような制度でしょうか?

高額療養費制度とは、公的医療保険における制度の一つで、医療機関へ支払った額が、同一月(1日~末日)で一定額(自己負担限度額)を超えた場合に、その超えた金額分の支給を受けられる制度です(図)。

(2015年1月現在の制度に基づいて解説しています)

高額療養費制度

監修:宮腰 重三郎先生(東京都健康長寿医療センター 血液内科)

自己負担限度額は、どのように決められているのでしょうか?

医療機関へ支払う自己負担額は、年齢や所得によって決められています。
また、高額療養費における自己負担限度額も、年齢と所得によって区分されます(図1、図2)。

(2015年1月現在の制度に基づいて解説しています)

70歳未満の方の1ヵ月の自己負担限度額

※ 小学校入学前の子供の自己負担割合は2割となります(原則)。

70歳以上の方の1ヵ月の自己負担限度額

  • ※1 世帯の収入額が520万円(1人世帯では383万円)以上ある場合を対象とする。
  • ※2 平成27年1月以降、新たに70歳となる被保険者がいる世帯において、世帯の被保険者全員の所得合計が210万円以下の場合を除く。
  • ※3 2014年4月1日以降に70歳になる方(1944年4月2日以降に生まれた方)を対象とする。
    誕生日が1939年4月2日から1944年4月1日までの方は、1割となる。
    なお、75歳以上等の後期高齢者医療制度の対象者で、所得区分が一般、住民税非課税Ⅰ・Ⅱの方の自己負担割合は1割となる。

監修:宮腰 重三郎先生(東京都健康長寿医療センター 血液内科)

高額療養費の支給を受けるには、どのような手つづきが必要ですか?

高額療養費の支給を受けるには、以下のようなステップがあります。

(2015年1月現在の制度に基づいて解説しています)

高額療養費の支給までの手続き

  • 1)勤務先の保険、国民健康保険 など。
  • 2)「限度額適用認定証」「限度額適用・標準負担額減額認定証(市町村民税非課税者の場合)」。
  • 3)上記2)のほか、「高齢受給者証(70歳以上75歳未満の市町村民税非課税者でない方の場合)」「後期高齢者医療被保険者証(75歳以上の市町村民税非課税者でない方の場合)」
  • 4)病院やクリニックの医事課窓口 など。

なお、どの医療保険に加入しているかは、健康保険証(被保険者証)でご確認ください。
また、高額療養費が利用可能か、利用方法などが不明な場合は、加入している保険者にお問い合わせください。
過去の申請漏れも2年前までさかのぼって認められますので、医療機関にかかった領収書を必ずとっておき、持参しましょう。

払い戻し申請が必要な場合もあります
以下の場合には、申請により、自己負担限度額を超えた分の払い戻しを受けることができます。

  • ・処方せんによる薬を受け取った薬局での費用が自己負担限度額を超えた場合。
  • ・1世帯で21,000円以上の支払いが2件以上あり(世帯合算*1)、合計額が自己負担限度額を超えた場合。
  • ・医療機関で、多数該当*2にあてはまることが確認できなかった場合。
  • ・月途中に認定証が交付され、それまでに医療機関に自己負担限度額を超える額を支払っていた場合(医療機関での払い戻しが可能な場合がありますので、医療機関の窓口にご相談ください)。
  • ・介護保険を利用している場合(高額医療・高額介護合算療養費制度*3

(2015年1月現在)

  • *1 世帯合算(1世帯で21,000円以上の支払額が2件以上ある場合):
    70歳未満の場合⇒同一月、同一世帯内(一人の場合でも可)で医療機関へ支払った自己負担額が21,000円以上となるものが2件以上ある場合、合算することができる。
    70歳以上のみの場合⇒通院については個人ごと、通院と入院がある場合は、金額にかかわらず合算して算出する。
    70歳以上と70歳未満が同世帯の場合⇒「70歳以上のみの場合」に基づき算出した70歳以上の方の分を算出した後、70歳以上の方の自己負担額と、70歳未満の方の医療機関へ支払った自己負担額を世帯で合算し、70歳未満の自己負担限度額にて払戻金を算出する。
  • *2 多数該当(高額療養費の支給が1年間に4回以上ある場合):
    同一世帯で1年間(直近の12ヵ月)に4回以上、高額療養費の支給を受けた場合、4回目からの自己負担限度額が低くなる。ただし70歳以上で通院のみの場合は、回数に関係なく自己負担限度額は同じとなる。
  • *3 高額医療・高額介護合算療養費制度(介護保険を利用している場合):
    1年間の医療保険と介護保険の自己負担額が合算でき、本制度での自己負担限度額を超えた場合、支給を受けることができる。

監修:宮腰 重三郎先生(東京都健康長寿医療センター 血液内科)

治療費を軽減するために高額療養費制度の他にも活用できる制度はありますか?

ご家庭の生活状況や所得に応じて、表のような公的社会保障制度を活用することができます。詳しくは、各窓口にお問い合わせいただくか、病院に設置されているがん相談支援センターのスタッフ(医療ソーシャルワーカー:MSWなど)に相談してください。

Medical Social Worker

公的社会保障制度一覧

監修:小川 亮介先生(独立行政法人 地域医療機能推進機構 九州病院 内科)